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OPE室の看護について

中堅看護師日記

こんにちは。手術室の褥瘡委員、南波と諫山です。梅雨になり、毎日蒸し暑い日が続いていますね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

なかなか手術室でどんな看護をしているのか、あまり知られていないと思いますので、今回は当手術室看護師が日々取り組んでいる、皮膚トラブル防止•褥瘡予防の取り組みについてお話ししたいと思います。

さて、人は一晩の就寝中に何回ぐらい寝返りを打っているかご存知でしょうか?答えは平均して20回ほど無意識に寝返りをしているそうです。だいたい1時間に1〜2回寝返りを打っていることになりますね。しかし、手術中は麻酔の影響で、長時間声を出すことも、体を動かすことも出来ません。長い時間同じ姿勢のまま動かないでいるのは、身体的・精神的に辛くて、とてもできません。更に手術中は手術を行いやすくするために、仰向けだけでなく、横を向いたり、うつ伏せになったり、手術によってはベッドごと頭を下げたり、斜めに傾けたりと、皆さんが想像しているより、かなりアクロバティックな姿勢をとることがあります。その為、患者さんは自分の体重だけでなく、手術中の体位を維持する為の固定によっても圧迫を受けてしまいます。もし何も対策を行わなければ褥瘡(床ずれ)などの皮膚トラブルを生じさせてしまいます。


「褥瘡」と聞くと、高齢者や疾患により弱った皮膚の方の事だと想像するかもしれませんが、若い人や、普段元気に歩いている人でも発生させてしまうことがあります。病気を治す為の手術で、新たに治療が必要になるトラブルを生じさせてしまうのは、本末転倒です。そこで私たち「手術室看護師」の出番です。手術を受ける患者さんの術中の安全を守る為に、あらゆる対策を行っています。患者さんの年齢や体重、栄養状態、皮膚の状態、関節の可動域、既往歴、術式等によって患者さん一人一人に適した対応が必要となります。私たちは手術看護の知識から、あらゆる体位の良肢位(日常生活における支障を最小限に抑える体位のこと)を考慮し、患者さんが安全かつ安楽な体位をとれるよう尽力しています。その際に使用する耐圧分散用具も選択して、よりその患者さんに最適なもの使用します。又、予防的に骨の突出している部分や、褥瘡の好発部位(褥瘡のできやすい場所)に、被膜スプレーや保護クリームをあらかじめ噴霧・塗布して、皮膚の保護を行なっています。以前はフィルムを貼付して皮膚保護を行なっていましたが、皮膚トラブルの発生件数や予防処置の統計を数年前まで遡って調査し、よりトラブルを起こさない皮膜スプレーや保護クリームを導入しました。更に長時間の特殊体位を余儀なくされる手術では、高性能の低反発パッドを用いて、体位変換を行えない手術中の体圧分散を可能にし、皮膚トラブルを予防しています。今回は手術室で行なっている皮膚トラブル・褥瘡予防についてお話ししてきましたが、私たち手術室看護師が行なっている看護はこれだけではありません医師をはじめ多職種(薬剤師・臨床検査技師・臨床工学技師・レントゲン技師etc…もっと沢山います)と連携し患者さんを守る為に日々頑張っています!

使用している被膜保護材  高性能低反発パッド


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